第18章 私は二度死にかける おそ松 一松
「ちょ、何すんの・・・!」
「は?だから試すんだって!もっかい!」
「やめろっつのー!しかも弟の前なんですけど?!アンタには罪の意識とかデリカシーってもんはない訳ぇ?!」
猫と遊ぶ一松の背後で、またキスを試みようとするおそ松と、全力で抵抗するナス子の姿。
まるでプロレスでもしているかのようである。
聞きたくない会話を聞かないようにしようとしても、大きな声はどうしても聞こえる訳で・・・。
一松は溜息をつき立ち上がる。
「おい、コラ。クソ長男」
やっと助けが入ったと嬉々したナス子だったが、背後から近づいて来た一松に、何故か無理やり首を捻られる。
「ぐぇっ」
やはり女性らしいと言う言葉は皆無の悲鳴に少々ガッカリしながらも、一松はナス子の唇に自分のそれを押し付けた。
「━━━━━━っ!?」
ナス子は目を瞑る事なく、逆に大きく目を見開いて一松を見る。
そしてナス子とプロレス喧嘩をしていたおそ松も、唖然と一松を見た。
「ぅ・・・~~っ~っ~!!!」
両腕はおそ松との攻防戦により塞がっている為、動かす事も出来ず、変に首を捻じられたのでむしろ動かすと痛くて抵抗も出来ない。
「・・・・・・・・・・・・ん」
顎を一松に掴まれ無理やり口を開かされると、今度は一松の舌が侵入してきた。
ビクリと、おそ松が握っているナス子の両腕に力が入る。
「い、いちま・・・やめ・・・くっ、首っ」
一松は心の中で、やめて欲しいのはキスじゃねぇのかよ、と突っ込みを入れるが、ナス子が顔を背ける事を許さない。
唖然としたままのおそ松の前でくちゅりと音を立てて長いキスが続く。
一松がその視線だけをちらりとおそ松に向ける。
「お、おい、一松・・・」
見ていられなくなったおそ松が、思い出したかのようにナス子の腕を離し、引き攣った顔で止めに入ろうとする。