第18章 私は二度死にかける おそ松 一松
二人の関係がどこかおかしいとは思っていたが、やっとパズルのピースがハマったかのように、納得する一松。
だからと言って、曇った気持ちは晴れる事はない。
「コイツに頼んだ私が悪かったんだ、本っ当」
「お前楽しかったって言ってたじゃねぇかよ」
「楽しかったけどこんな事になるとは思わないじゃん!もう、1日彼氏の話は終わったでしょ?!」
「いーだろ、遊びの延長線上って事で続ければさぁ、したらまた何かあった時に誤魔化すの楽だろぉ?」
「出来るだけそうならないようにします!!!!」
そしてまだ二人の口論は続いている。
この二人は顔を合わせれば本当にいつも喧嘩ばかりだな、と一松は思いながら静かに茶を啜っていた。
しかし、長男と姉がキスをしたと言う事実は、一松の気持ちを大きく揺らしたままだ。
「俺とのキスになんか感じるまでは絶対続けるべき!」
「だから、何でそうなんのか意味わかんないんだけど?!何か感じるって何?!!何度かしたらキスって変わるもんなの?!」
「知らん!けど変わるかも知れないじゃんっ、やってみないとわかんなくない?」
「嫌だよ、好きでもない相手と何度もキス出来るかってんだ!」
「「一松はどう思う?!」」
そして火の粉が当たる一松。
モヤモヤした気持ちのまま、目を泳がせ気まずそうに口を開く。
「さぁ、どうだろうね・・・キスいっぱいしたら好きになるかもだし・・・逆に嫌いになるかも?俺の知る所じゃないよね」
「ほら、一松だってこう言ってるじゃん!」
「いや、一松は好きになるかもって言ってるだろうが!」
この争いを止めるのは、自分では無理だなと悟った一松。
というか面倒臭いし聞いていたくないと思い、立ち上がるとミケ子の所へ向かいまた一緒に遊び始めた。
するとナス子の焦った声が背後から聞こえ、一松は子猫を猫じゃらしで相手しながらも振り向く。