第18章 私は二度死にかける おそ松 一松
動揺している一松をなんとか宥め、お決まりのコタツに3人で座る。
ナス子がおそ松に1日彼氏を頼んでから、運命の歯車が狂ってきている気がする・・・と、ナス子は猛烈に後悔した。
だがしかしデートは楽しかった訳で、全てが嫌な思い出でないのも確かだ。
「はい!一松、お茶」
「ん、どーも・・・」
一松と自分用の二つのカップを置き茶を注ぐ。
「ちょっと俺には?この扱いの差酷くない?!」
「酷いのはどっちよ?自分の胸に手を当ててよ~く考えてみる事だね、松ボーイ」
「胸?・・・なんもないけど?」
言われた通りにおそ松は自分の胸に手を当てるがなんの異常もないと、キョトンとナス子を見上げる。
「そういう事じゃなくってだねー、ほんっとアンタって救いようのない馬鹿だよね!この前チンパンジー相手にナニしたかわかってんの?!」
「・・・チンパンジー?おそ松兄さん、ナス子になんかしたの?」
「一松くぅん、何でチンパンジーの言葉だけで私だと思うのかな?ん?ん?ん~?」
「だって近くにいるチンパンジーって一人しかいないでしょ」
ナス子に詰め寄られるが、一松はナス子と目を合わせず、おそ松を見ている。
「なんだよ、たかがキスって言ってたのはお前だろ?いいじゃん、それならキスの一つや二つしてみてもさぁ!」
「よくない!私があの後、どれだけ歯磨きしたかっ歯磨き粉一本全部使い切っちゃったんだからね!」
「おいっ、人を悪い菌みたいに言うなよ!」
「悪い菌じゃなかったらなんなの?悪い虫?それともあんたも悪いチンパンジーとでも言っておこうか?」
「はぁ?なんで俺がチンパンジーにチンパンジー扱いされないといけないわけぇ?!」
「・・・」
二人の口論をキョロキョロと黙って見ている一松。
会話を聞いている限りでは、どうやらおそ松兄さんがナス子にキスしたらしい。
しかもディープ・・・という事を理解した。
「彼氏ってのは何・・・?結局・・・やっぱり二人は付き合ってるの?」
「「誰がこんなヤツと!!」」
二人が顔を怒りの意味で赤くしながら一松に反論する。
「え、でもさっき彼氏様っておそ松兄さんが・・・」
「あ、それはね━━━━・・・」
そして事の顛末を一松にも話す事になる