第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
「ん?」
「ほら、これ可愛いからおすすめ。ぼくの趣味なら間違いないんだしこれでいいでしょ」
「なんか青い……」
「赤でも似合うんなら青でも似合うでしょ?知らないけど!ていうか今更だけど男のぼくらだけに選ばせるってどうなの?!全くほんっとダメな姉さんだなぁ」
「最後の一着は僕が選んだよー!ナス子姉さんのイメージカラーはボクにとってはオレンジっ」
イメージカラーを言われてちょっと嬉しくなるナス子。
普段から六つ子のカラーは羨ましかったので、下着と言えど仲間になれたみたいで心が躍った。
もうぶっちゃけ面倒なので持ってきてもらった下着を確認する事なく、ようやくレジに向かって行った。
さすがに会計までついて来てもらうのも変だからと、トド松と十四松は店外に出て外で待つ事になった。
トド松はレンタルショップに服を返しに行く。
あー・・・これで解放される。
女って本当面倒臭い・・・そう思いながらレジに並んでいると、何故かナス子の隣には十四松が立っている。
「あれ?外で待ってたんじゃなかったの?」
「うん、でもトッティがレンタルショップに行ったからボク一人じゃ暇だったんだよね」
「あぁ、なるほど(ありがとってぃー・・・)」
レジに並んでいると、十四松は下着の入るカゴを見た後にナス子の腕の袖を引っ張る。
「ねぇ、ナス子」
「んー、何十四松」
隣の十四松を見上げると、パチリと目が合う。
ニッコリ笑った十四松がナス子に嬉しそうに言った。
「今度これ着てる所、全部ボクに見せてね!」
「嫌です」
「えーーー、こんなに一生懸命選んだのにぃーっ?!」
「やだよ、しかも7着!!多いから嫌とか言う意味でもないけどさ」
そうじゃなくてと自分の心に突っ込むナス子。
これにしてもこれじゃなくても、自分の下着姿など見せたくもない。
しかもトド松には裸まで見られたというのに……。
これは……絶対に言えないヤツだ。