第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
勧められてもあまり食指は動かず視線も特に向けたりはなかったが、そこをトド松と十四松が畳みかける。
「姉さん着ないの?あ!そっかぁ、自信がないんだねぇ」
「十四松兄さんそんなハッキリ言っちゃナス子も可哀想でしょ。まぁ、似合う似合わないかはおいといて……」
二人して聞こえるようにコソコソとそう言われると単純なナス子も黙ってはいられない面倒な性格である。
「あんた達ねぇ!べ、別に着た事ないけど着たら似合うかもだし?!意外と気に入るかもだし?買うし!!」
「「チョロ……」」
たったこれだけの罠にかかってしまうのも情けないが、言ってしまったモノは引き返せないとカゴに乱暴に放り込むのだった。
「あー、もうっ!疲れた!帰りたいっ、もうだめ?もう5着買ったよぉ?」
駄々をこねるナス子をどうどうとトド松と十四松が押えてなんとか宥める。
「もーなんでもいいから持ってきてー・・・歩くの面倒だよぉ、疲れたよぉ、だいたい休日ってものはさぁ・・・」
「やばいね十四松兄さん、姉さんのグータラ病がそろそろ重症になってきてる」
「うん、ヤバイねトド松、ボクでもわかるよ」
広いショップ内の中には椅子があり、そこにナス子は腰掛ける。
後二着と言えど考えて選ぶのはとても面倒臭い。
別に女子力とかどうでもいいし、ダサくてもいいし!
開き直ってきたナス子のカゴの中にパサリとトド松と十四松がそれぞれ一着づつ下着上下セットをプラスする。