第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
言えないと言えばもう一つ気づいてしまったのが今日の買い物の色である。
無意識に6つ子カラーをチョイスしており、バレたら絶対に馬鹿にされるヤツだ。
黒とか白ならもっと選択幅があったハズ!
まんまと二人にノセられた気がする。
起きてもない未来を想定してふっと溜息をつくと、クスクスと前から笑い声が漏れる。
「ふふふ、彼氏さんは彼女さんが大好きなんですね~」
気づいたらレジの順番はナス子まで進んでおり、先ほどとは違う会計をする店員に笑われる。
「いやぁ、照れますなぁ~」
「いや、ここは否定する所でしょ十四松!」
「沢山のお買い上げをありがとうございます!こちら今モールでやっている福引イベントの福引券なんですが、少し多めに入れておきますね」
ナス子と十四松のやりとりを見て和んだ表情をした店員は、サービスと言い本日購入した金額以上に福引券をつけてくれた。
「福引だー!やったぁああ♪」
下着姿は絶対に見せないが、喜んでくれた十四松に自分も笑みがこぼれる。
どうしてスイーツ巡りがこうなってしまったのか・・・と溜息が出そうになるが、少しでも自分が女として経験値を詰めたのではないかと思うと、ゲーム的に考えてテンションが上がったのでヨシとする。
そしてその後、二人はトド松と合流し、3人で福引スペースへ向かうのであった。