第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
「うーん、柄は可愛いんだけど・・・」
次の目ぼしい下着を見つけ、それとにらめっこ。
目の前に映るのは緑色の下着。
花やフリルのような可愛い系、綺麗系とは違い、猫の模様が入っている。
少しシンプル系?
少し褒められたとてあれだけダサイを連呼されると自ら決めてカゴに入れるのにも多少の勇気が強いられる。
「えー、別にこれなら変じゃないよ?」
「そ、そう?」
「うん、猫も可愛いよね!これは黒猫だけど、ミケ子みたいっ」
「ほんと?!じゃあこれにしよっと!ハイ、4着目~♪」
一度決まれば迷わない。
ミケ子の名前を出されればすぐにナス子はまたセットの下着をカゴに入れた。
「いやー、セットの下着って便利だね!上下気にした事ないけどぉ~」
「普段からそういうのに興味がないから女子力がどうとか言われるんだよナス子姉は」
ブツブツと言うトド松を無視しながらナス子はキョロキョロと近場にいいのがないか見回す。
「なぁに、ナス子姉?探しものでもあるの?お腹をへこます矯正下着ならあっちに……」
「うっさいわトド松ぅ!!黒とか白い下着も欲しいなって思ってさ~」
「あー、なるほど? でもさぁでもさぁ!せっかく来たんだよ?!もっと派手ないつも買わないのいっちゃおうよぉ」
トド松の目は何かに協力すると言うよりも、玩具で遊んでいるような目だ。
長年それを近くで見ているナス子はそれを見逃しはしない。
「お前絶対楽しんでるだろ?」
「ふふ~ん♪べっつにぃ?あ!ねぇねぇ、これなんかどうかな?ナス子ね~さん♪」
「赤?!それはちょっと私には難易度高くない?振り向いた時にあったから言ってるだけなんでしょ、私が着る訳……」