第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
試着室から出ると、タッティをなんとか抑えた十四松が外で二人を待っていた。
「どうだった?!姉さんいくつだったぁ?」
ニッコリ笑う十四松。
中で何かあったのかを知らないこの笑みは天使である。
「十四松、姉さんはもうお嫁に行けないかもしれない……」
「えぇ?!どゆ事ぉ?」
物凄く後悔した顔のナス子と、額からでる血で真っ赤に顔を染めたトド松に十四松が一歩足をひいた状態から二人の様子を伺っている。
「ナス子はゴリラ、ゴリラ、そう……ゴリラ姉なんだよ……ゴリラ。だから別にぼくが緊張とかそんな事しなくたって……」
「さっきから何をブツブツと!ゴリラしか聞き取れないんだけど、ゴリラじゃないからね?!ナス子姉さんだからっ」
「だからナニがあったのおぉぉぉぉ」
中で何かあったようだとすぐに十四松も理解は出来るが何があったかはわからない。
しかし、理由は何にしろ末弟の流血を見ていると聞かない方が身のためと言う言葉が浮かんできており、今は無理に聞くのをやめておく事にした。
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「サイズはわかったが・・・わからん、どれ選べばいいの?これ?これ可愛いやつ?」
「ぜんっぜん可愛くない。ダサイよその下着」
「ボクもナイと思う!」
どうやら今日は姉、妹、弟の3人で買い物に来ていると勘違いした店員は特にこの関係に突っ込む事はなかった。
お陰で3人堂々と下着を見て回る事が出来る。
マネキンの前を通る度十四松がタッティしそうになるので、なるべくマネキンや下着の宣伝が流れる動画の前は通らないようにした。
「これ!これは?!!!」
「だからっ、なんでそ残念なのばっか選ぶのナス子!!!もうこんなお洒落なお店来れないかも知れないんだよ?!課金だのゲームだの漫画だのは今は頭から消して女性らしい所を出しなよ!」
「ナス子姉さん女性らしい所あったっけー?」
「ん~~~?何か言ったかな十四松くぅん」
ガシっとナス子が十四松の頭に指を食い込ませる。
「アーーーーー!すみませんっしたぁ!!!」
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