第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
ナス子に興味はないとは常日頃からずっと言っていたものの、一応女が相手という事で、胸のサイズは知ってみたい。
童貞トド松の悪い部分が滲み出ている。
なんて言っていても相手はトド松である。
どこぞの長男とは違い多少なりとも遠慮と言う言葉はあるらしい。
その場からは離れはしないが、背を向けじっと縮こまっている。
トド松の背中に緊張が伺えるのがわかるナス子からしては、早く出て行けと思うばかりなのだがそうはいかないようだ。
「あら、脱ぐと結構細いんですね」
「へ?」
細いと言う店員の言葉はサービストークだとは思うが、その言葉に反応したトド松が一瞬コチラを見てしまい、ナス子と不意に視線が合ってしまう。
ーーーーーーーーーー真顔だ。
ポカンとした一瞬の間だが、何も口を開くことのない末弟に向かい、まるでゴミでも見るかのような光のない視線で見返す。
「見るなこのクソ童・・・ごほっ、こっち見ないでくれるかな?!恥ずかしいからアッチ向いててよねっ、コロっ……げふん」
黙っていようと頑張ったのもほんの一瞬で、やはり口の悪さが際立ってしまった。
「あ、あぁっごめん!つい!!」
店員にサイズを言われるナス子も、聞くトド松もそれどころではなかったがナス子にとっては貴重な体験、死ぬ程恥ずかしい別体験もあるがサイズは忘れず聞いていた。
一方、試着室の壁にガンガン頭をぶつけていたトド松に、ナス子の胸のサイズは聞こえず、次はトド子の番になる。
トド子、勿論Aカップである。