第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
ナス子は一人ランジェリーショップの中に入り悩んでいた。
実は自分の胸のサイズを知らない。
いつも適当にしま〇らで買っていたせいか、これはつけられる、つけられないだけでチョイスしていた。
トド松から聞くに、下着はメーカーによってはサイズが変わるらしいから、店員に測ってもらった方がいいとの事。
「・・・聞ける訳なーい!聞けたらもうとっくにブラ手に入れてるー!パンツも買えてるー!!」
下着を持つ手にブルブル震える様はまさに下着泥棒を思わせる変態のようだ。
一歩間違えば万引き犯ともとられるかもしれない。
可愛い下着ってなに?どれも可愛いし、私のようなシンプルなヤツあんまないし、フリフリとか際どいのとかいっぱいあるし・・・。
だからと言ってまたシンプルなの買うとクソダサイとか言われそうだし・・・・・・。
ここまで来たならもう覚悟を決めてちゃんとしたものを何着か選びたいとナス子は思っていた。
だが、下着を選ぶ手は一向に進まない。
そんな横で友人同士、カップル達がキャイキャイ、イチャイチャと騒ぎながらどんどん下着を決めて購入していく。
「下着一着5000円?!たっか!課金出来るじゃんっ」
やっぱやめようかなぁとナス子が早速諦めかけた時、窓越からスマホを弄りながらコチラを見ていたトド松と目が合った。
十四松も立ち上がってみている。
・・・・・・・・・ピロンとLIMEが鳴った。
『買わないで帰ってきたらお仕置きだよ♪』
可愛いスタンプとは裏腹に、お仕置きと言う名の死刑宣告。
お仕置きって何するの?!またなんか言われる?ヤられる?!
ってか私が思ってる事ダダもれじゃねぇかーい!
「・・・『わかってる』」
諦めてLIMEを返すとまた向きなおし下着選びを始めた。
もう適当に選ぼうかなぁ・・・目を瞑って手にとったヤツとか?
どれにしようかな~って指さしてゲーム感覚で選ぶとかさー。
あぁ、その前にあれか、サイズを測ってもらえって言われてたんだっけ…。
ふとトド松に言われた事をナス子は思い出す。
「・・・トド松と十四松に女装させてついて来てもらえば良かった」
と、思った時、ナス子は閃いた。
この店の隣は・・・レンタルコスプレショップなのだ!!!!