第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
「えー、別にいいじゃん。こんなん誰も見ないワケだし必要ないってば!下着なんて大事な所隠せればそれでいいでしょ~?他に下着つける意味あるぅ?」
「「・・・・・・・・・・・・はぁ」」
さすが松野家ブラザー、同時に呆れた目で溜息だ。
「ナス子姉」
「姉さん」
十四松が真似する。
「な、なにさ」
トド松と十四松の気迫に体が後ろに下がる。
「そんっなんだから彼氏が出来ないんだよ?!女の子はまずは中身っていうじゃない!まずはそこから改造していかないとっ」
「えぇええ?!中身って性格じゃなくて下着の事だったの?!」
ピシャリとナス子に雷が落ちる。
まるで昔の漫画にある白目に縦線が入る感じだ。
「そう(本当は違うけど)、まずはそこから変わっていかないと変われるものも変われないよ?!寧ろ男相手じゃなくても同性同士だとしても引かれるかもよ??!」
ビシリと指を指され、己が知らなかった女子力を知る。
「世の女の子達は、そんな事まで気を使って・・・、凄い、凄すぎる。生きている次元が違う・・・」
「ボクは姉さんのダサ下着も嫌いじゃないよー、見た事ないけど!」
「うっ・・・十四松ぅぅぅ、いい子ぉぉお」
フォローなのか落としてるのかわからない言葉だが、今のナス子にはとても励まされている言葉のように聞こえた。
「十四松兄さん!今はナス子を甘やかさないでっ」
「ナス子!」
突如姉さんからナス子と言い方が変わったトド松に十四松が復唱する。
「いーい、ナス子!今日は折角こうやって外に出かけられたんだからさ、もう卒業しよう、そのダサくて救いようのない女子力の欠片もない、しょうもない見た目から!今の恰好なら何の恥ずかしさも感じる事なく店に入れるでしょ?!もうしま〇らだけの下着は卒業しなよっ」
またもナス子の頭には衝撃が走った。
何故コイツ・・・私の下着が全部しま〇ら産だと知っている・・・。