第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
ナス子は向かいに座る十四松を見る、十四松もたまにナス子に土下座してお金を借りる時がある。
おそ松とは違い、小銭を欲しがる。子供のようだ。
ナス子と視線を合わせないように十四松がどこか違う場所を見ていたが、トド松は気にする事なく話をつづけた。
「僕らがついてくのはちょっとアレだからその店は入れないんだけど・・・、その・・・」
「え、なに?どこ?!トド松が入れない店に私が入れる訳ないじゃんっ、もしかして女子トイレ?!?」
「ちっがうよ!なんで店って言ってんのにトイレになんだよ、らら、ら、ランジェリーショップだよ」
最初の言葉に語気は込めたが後半は段々声が小さくなるトド松。
ナス子と十四松は目を丸くした。
「え?・・・え?!」
「ああああああぁ・・・ナス子姉、もしかして下着もクソダサイのつけてるって事・・・?」
少し顔を赤くした十四松はナス子の胸元に視線を移す。
「セクハラ男子かお前は!」
「だって、この前ナス子姉の家に上がった時にすっごい嫌なクっソダサイブラジャー見ちゃったからさぁー」
言われてうぐぐ、と言い返せず口を紡ぐナス子。
そう、普段のナス子はダサイ、お洒落はしない。
しかも下着なら誰にも見られる事はないので別になんでもいい。
だから上下はバラバラだったり、安い下着ばかりを選ぶ。
というか下着の数自体そんなに持っていない。
勝負下着??なにそれ、必要なくない?使わないし!的な感じだ。
「どーせ他の下着も同じような感じでしょぉ?一応女の子なんだしもう少し可愛いヤツとかセクシーなヤツとか着た方がいいんじゃないの~?」
「と、トド松・・・ナス子姉が・・・」
下着の話をされて脳の回転が追い付かずショート寸前。
こんな女の子の友達に言われるような事をまさかの男で幼馴染のトド松に指摘されるとは思っていなかった。
しかも3人でデートと言う名目の今日!!