第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
さすがパフェを売りにしているだけの店あって、結構な量を食べた3人は、満腹感を感じ外に出る。
スイーツの旅・・・完。
「早くない?!」
「え、何トド松?」
「なんかもうスイーツ巡り終わりみたいな雰囲気出してない?もう食べたし家帰って化粧落としてパジャマ着てゴロゴロしようとか思ってるよね?ね?」
「え、ナス子姉家帰ってゴロゴロするのー?一緒に寝るー??」
「寝るー」
「おかしい、おかしいでしょぉ!折角ナス子姉もちゃんと着替えて気合入れたメイクまでしたんだし・・・」
「いや、これはトド松が無理やり・・・」
半ば強引に、トド松の指示の元行われた化粧とコーディネートは、全てトド松好みになっている。
「いくらナス子姉さんと言えど今日はちゃんと女の子みたいに見える訳だし、僕らとデート続けようよー、あ、十四松兄さんは別に帰ってもいいよ?」
「トッティー!?」
言われた十四松はドライモンスターを見る。
今日は十四松とデートだったハズだ・・・なのに何故途中から付いて来たトド松に帰っていいと言われなければならないのか・・・しかも末っ子に、哀れ十四松。
だがしかし、十四松の頭はそこまで回らない。
ただ自分も一緒にデートしたいから帰りはしない。
「じゃぁ、お腹も溜まっちゃったし、今度は美味しい珈琲が飲める店で一服でもしようか」
「おー、珈琲!飲みたい飲みたいっ、今の店で飲んだのも美味しかったけど美味しい珈琲と言われると気になるよねっ」
ナス子は家に帰る気満々で、今にも踵を翻そうとしていたが、珈琲と聞き足が止まるとルンルンになった。
「姉さんは珈琲好きだね」
十四松はいつの間にかナス子の腕に自分の腕を回している。
あざといのどっちだよ・・・と、その腕を睨むトド松が、ナス子のもう一方開いている手を取り手を繋ぐ。
「じゃ、3人で行こっか」
徐々に変化する兄弟達の関係に、今のナス子は気づく訳もなく自分に甘える二人が弟としてより可愛く見えてくるのだった。