第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
「十四松も、はい。私のパフェも食べなよ~」
「へへー、イタダキマッスルマッスルー!あーん」
ナス子から差し出されたスプーンを口いっぱいに頬張る。
「ねぇ、君たち僕もいるのわかってるよねー?!」
「あ、ごめんトッティー!ボクのもどうぞっ」
そして十四松は自分のスプーンにパフェを一口掬い、トド松の口の前に持って行く。
トド松は心底死んだ目をした。
「いやいや、おかしいでしょこれ!なんでそこに女子らしきナス子姉がいるのに兄さんに、あーん!ってされなきゃいけないのー?こういう時は姉さんが僕にするのがフツーの流れでしょ?!」
不貞腐れたトド松は十四松のスプーンを押し返す。
それを十四松が自分でまたパクリと食べた。
「あんまー!」
「いーじゃん、あーん!とか兄弟睦まじい感じが出ててさー」
「そういう事じゃないの、この、カップルや女の子達がいっぱいいるお洒落な店でなんっでわざわざ男とあーんとかするのぉ?僕にもちょうだいっ」
トド松は一回拗ねると面倒臭い。
機嫌が悪くなったりキレると一番ヤバイやつ。
って誰かが言っていたような・・・。
「あはは、ごめんごめん、ほらトド松もー」
笑ってナス子が自分のパフェを掬うとトド松の口へと持っていこうとした。
嬉々としたトド松は嬉しそうに前に身を乗り出し口を開ける。
パクリ
「やっぱりあんまー!!!!」
「「あ」」
「姉さんのパフェも美味しいよね!」
トド松の口の中に入っている予定だったパフェは、見事隣から出てきた十四松の口に奪われる。
「ちょっとー、十四松兄さん邪魔しないでよねぇ」
トド松が頬を膨らませている。
あはは、ごっめーん!と、トド松に謝る様を見るナス子はとても微笑ましい光景にクスリと笑みを漏らした。