第17章 どうしようもないけど可愛い弟達 十四松 トド松
「パフェうんまー、食べてみ姉さん!」
「ん、あー。美味っ!」
最近の休日はほぼ松達に支配されているような気がするナス子。
本当なら家で寝て過ごし、趣味に時間を費やしたい自分が、何故か今このようなお洒落で綺麗で可愛い恰好をした女の子達や、カップル達で溢れた店でスイーツを食べている。
「でっしょー?ここのパフェって超美味しくて有名なんだよ~、ぼくってばこういう店には詳しいからねぇ」
十四松と隣合わせの席で一緒にお互いのパフェをつついていると、向いの席に座るトド松がスマホを見ながらニコニコと喋る。
そう、今日はナス子が以前十四松と約束したスイーツ巡りの旅である。
朝早く起こされ、目を擦っていたナス子だが、一緒に登場したトド松がナス子をコーディネート。
化粧も勿論、文句を言われながらちゃんとさせられた。
どうやら十四松がナス子とスイーツの旅に出るという事を聞き、勝手についてきたようだ。
普段、このような常識的な一般の勝ち組女子が行くお洒落な店などナス子や十四松が知る由もなく・・・トド松が意気揚々と案内係兼ダメだし役として付き添ってきたらしい。
本当は二人でデートしたかったと心の隅で十四松は考えていたものの、弟の思いに逆らえず今に至るのだ。
ちなみに十四松も今日はいつものパーカーや繋ぎとは違い、オーバーオールにチェックのシャツを着ている。
ちょっとちゃんとした私服である。
多分トド松に十四松もダメだしされたのであろう。