第16章 ヤケクソ療法? カラ松 チョロ松 ※多少シリアスが含まれます
そして、話は冒頭へと戻る。
「ど、どうして、こうなった・・・・・・・・?」
思わず口から出た心の声の主はナス子である。
コタツから出て、向かい合わせに正座する男二人と女一人。
チョロ松の突然の提案から、話が変な方向へと進んでしまった。
チョロ松の意見はこうだ。
「要するに、おそ松兄さんがナス子のことを女として意識はしていないって、ナス子自身が納得出来ればいいわけでしょ?だったらさ、僕やカラ松ならナス子をそういう目で見ることなんて絶対ないから、キスしたぐらいでこの関係は絶対に変わらないからさ、そしたら、おそ松兄さんもきっとそうだ~って思えるでしょ?そうなれば万事解決じゃん」
「・・・・・・・・・・・う、うんん・・・・・・・・・?」
前々から思っていたが、この三男は大変滑舌が良く、言葉自体は大変聞き取りやすい。
だが今回に関してはそんなことは関係がなく、内容が何を言っているのかよくわからない。
だがチョロ松の中では筋が通っているらしく、こうなってはカラ松もナス子も、この男を止める術を持たない。
押しに弱い男と女。
自意識の高い男。
どちらの意見が通りやすいかは明白である。
「じゃあ始めるね、よろしくお願いしまーす!」
「よ、よろしくお願いしま~す・・・?」
「ブ、ブラザー、やっぱりよく意味がわから・・・」
「あ゛ぁ゛?!」
「ょ、よろしくお願いしゃーす・・・・・」
三人は頭を床につけ深々とお辞儀をする。
一体どういうことなのか、もはや説明がつかない。
「どうする?ナス子からする?僕達からする?」
「え・・・?えっと・・・」
「おそ松兄さんからされたんだったよね?じゃあ僕達からナス子にしたほうがいいね」
「えっ・・・・・・?あ・・・ぅ、うん・・・・・・?」
これぞ自問自答である。
まだ状況が把握しきれていないナス子はろくな返事が出来ず、ただチョロ松に言われるがままに、首の角度は若干斜めながらも頷いている。
「じゃ、カラ松からいってみよう」