第108章 最終回【逆ハー】ネヴァーエンディングストーリー
束の間の時間だった、そしてたったの一言だった。
だが、この場では聞き捨てならない言葉だ。
内心焦る六人を残し、自分の部屋にナス子が戻るのを確認して勢いよく襖を後ろ手にしめる。
襖を背におそ松が歯をガチガチさせると見ている弟達もこの世の終わりのような顔をしていた。
間をあけたあと、わっと騒ぎ出す。
「人に言えない事ってナニーーー?!教えてチョロ松ぅ」
「引っ付くな!僕にわかるわけないだろ!」
半泣きになりながらの長男が三男にすがりつき、それを払おうと三男も暴れている。
勿論、誰も助ける事はない。
「さっきは皆に乗ってしまったが、こういうのはやっぱり本人に聞くべきなんじゃ……」
「そんな事言って、カラ松兄さん、ナス子姉さんに妊娠したのー?なんて聞ける?!ぼくなら無理っ、絶対に無理」
「いや、まだ仮定だから……人に言えない事なんてアイツ山ほどあるでしょ」
「BL?!」
「「「「「なるほど」」」」」
十四松の発言にストンと納得してしまったが話の本質はそれではなく結果聞くか様子を見てどう出るかと、伺うしかないのだからまだまだ謎は多いばかりだ。
「あれ?なんか落ちてる」
トド松がソファの上に小さな何かを見つけて持ち上げ、裏を見るとそこに書いてある文字にまたも固まってしまう。
「あん…ざん、き……がん」
《ピシャーーーーーーン》
二度目の落雷で服は避け、ブリーフ一丁、チリチリパーマの六つ子達が畳にどっと倒れた。
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