第108章 最終回【逆ハー】ネヴァーエンディングストーリー
ソファで寝転がり、部屋の沈黙も気にせずゲームを開始していたナス子は見られているとは思っておらず、やっと六人による圧に気づくとびっくりした表情で周りを見渡した。
「ぅえ?!なに?なんで皆、無言でこっちみてくんの?怖いんだけどっ」
自分はゲームに夢中だと言うのに、大人数に囲まれて無言の注目を受けていればびっくりするというものだろう。
それに加えて、六人も同時にビクついている姿をみると、この動きは何かよくない事を隠していると大変不本意ながらもわかってしまう。
無視しようとナス子も思っていたが、こう反応されると平然ではいられず、やれやれとゲームを中断する。
「あのさ、誰になにしでかしたかは知らないけど言いたい事あったら言ってよね?あ、お金は貸しません」
大きく溜息をはかれ、《あなたになにかしたかもしれません》とも言える訳がない六人は返す言葉がない。
だがこのまま無視していても怪しまれると意を決して口を開いた。
「べ、べべべ別に金の話じゃねぇぇし!男にしかわからない、男だけの会話してただけだよなぁ、カラ松」
なんとか、なんとか間をもたせようと必死で長男がバトンを拾う。
続いてお決まりの次男へと
「あ?あ、ああ……そうだな」
「カラ松、ナス子に遠慮する事ないって。1つ屋根の下って言ってもさ、隠し事の1つや2つくらいあるでしょ」
「チョロ松兄さんいいこと言った!」
やはり、隠し事はあるだろう。
しかしそれは男性として隠しておきたいものだとすればこれ以上は野暮だろうか。
「うーん、男だけの話ねぇ。でも私も人に言えない事もあるし同じか~」
ここで雷が六つ子の身体にぶち当たる。
目が真っ白になり口は空いたままの状態である。
「じゃあ、私は隣の部屋に行くよ。男子会ごゆっくり」
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