第108章 最終回【逆ハー】ネヴァーエンディングストーリー
「おそ松、チョロ松もただいま」
「ナス子!おか、おかっ、おかえ……り!!」
「あ、あー!パチンコでも競馬でもま、負けたー、お金なぁい!あ、ナス子……おか、おかえりぃ」
顔を覗かせた途端チョロ松が数センチ程その場から跳ね、寝転がっていたおそ松は持っていた競馬の新聞紙を半分に割いてしまう。
平常心を保つ、なんていいながら早速この始末。
それでもバレないのはある意味この六人の日頃の行いの悪さのお陰だろう。
「ふぅ、最近疲れやすくてちょっとの外出だけでも負担になってるんだよねぇ。やっぱり休みの日は家でゴロゴロに限るわ~」
「疲れたぁ?!早く休んだ方がいいって!!部屋に布団敷いてきてやるからっ」
「そそ、それがいいよナス子、外寒かったんじゃないの?温かい飲み物でも淹れてきてやるよ」
珍しいおそ松とチョロ松の労わりにナス子が大きく目を見開く。
そんな事をされた事があっただろうか……、あったかもしれないが、それよりも悪行の方が多くて忘れてしまう。
共に過ごしていればこんなレア松が見れるのだと若干の感動まで覚える始末。
「え、ありがとうおそ松、チョロ松……なんか怖……じゃない、助かるけど別にこっちの部屋でもゆっくり出来るしいいよ?」
おそ松的にはこの部屋からナス子を出したい気持ちもあったが、そう言葉では言えど、残念ながらナス子はソファで寛ぐことにしたらしく、そこでゲームを立ち上げている。
ナス子の様子を窺おうと全員が部屋に集合する中、六つ子は1歩も動く事なくアイコンタクトしていく。
《以下、アイコンタクトトーク》
「え、座っちゃったよ?座っちゃったよ??」
「そりゃ付き合ってるんだし座るでしょ、それよりあの動き何!?バレたらどうすんの」
「なんだよ!チョロ松だって声裏返ってたし跳んでたじゃん!」
「カラ松兄さんの変な行動はもういつもだしいいとして」
「変な行動ってなんだトド松!?」
「一松兄さんもいつもと違ったねぇ」
「悪い.......」
《アイコンタクト終》