第107章 【アンケート感謝:チョロ松ルート】彼と私のXXX
一人きりになった部屋で、大の字になってただひたすら天井を眺めていた。
身体中の水分が涙として出たんじゃないかってくらい泣いた。
天井に伸ばした手がいつもより大きくて、泣き声もなんか汚くて
何度も何度も床をのたうち回って。
でもそんな時でもお腹は空いて……って、いや、さっきチョロ松と一緒にいる時もそんな会話したな……でも、なんだかそれがもう何日も前のことのように感じるのはなんでなんだろう。
「チョロ松の脳ってどうなってんのかな…神経ないのか……無神経だもんね……ちょっとなんか間が開けばすぐに空腹を訴えてくるほどにはね」
というより、泣きすぎてひどく体力を消耗したんだと思う。
そういえば朝から何も食べていない。時計を見れば午後9時を回っていて、そりゃお腹も空くわ。空きに空くわ。だって一回お腹空いたねって話をして、それからまた何時間も経ってるんだから。
「あー……泣きすぎて目と鼻と喉が痛い……お腹すいた……カップラーメンでいいや、もう……」
電気ケトルに水を入れて、沸騰を待つ。
買い溜めしてあったカップラーメンを適当に選んで、ふとカップラーメンを持つ自分の……いや、正しくはチョロ松の手を見つめる。
見慣れた自分の手じゃない、だけど、自分の手の次くらいには見慣れた手。
家事も仕事も何もしていない手は、傷一つなくとても綺麗だ。
「……この手で髪を撫でられるの、好きだったなぁ……」
ポツリと呟くと、耳に入ってくるのはやっぱりチョロ松の声で。
今自分は間違いなくここに一人ぼっちなのに、チョロ松の声が聞こえてくるなんて。なんだか残酷だ。
もう体に水分なんて残ってないとさっき思ったのに、またボタボタと大粒の涙が見つめていた手の甲に落ちていく。
「なんで……また喧嘩しちゃったんだろ……っう、う〜〜〜……っ」
もう、なんだかこのまま死んでしまいたいくらい気分が落ち込んで行く。
はずだった。