第107章 【アンケート感謝:チョロ松ルート】彼と私のXXX
あまりにもおそ松がウザそうだったので、とりあえず自分で何とかして落ち着きを取り戻して、顔も洗わないまま松野家を飛び出したのが小一時間前。
一応少し理性は残っていたのか、パジャマのままじゃなぁと思い着替えはしたが、着替えたことをもはや覚えていない。
今やっと少しだけ落ち着きを取り戻し、ふと服装を見たらちゃんと普段着に着替えていたのだ。
しかもちゃんとチョロ松の、緑色のパーカーを着ている。
無意識化の習慣というのは怖いものだと思う。
落ち着きたくて、自分を落ち着かせたくて松野家を出てきたのに、足が向かったのは近所の公園。
十四松がよく遊びにきている場所だ。
今日は平日だが、小さな子供連れのママさんやパパさんなどでまぁまぁ賑わっている。
落ち着く為には静かな場所の方がいいんじゃないかと思ったが、多少周りがガヤガヤしている方が、今はかえって落ち着く。
成人男性が一人公園のベンチで頭を抱えているというのは、周りからはどんなふうに見えるのだろうか、とかそんな思考が過るが、何度も言うがそれどころではない。
それどころではないのだ。
「どうしてこんなことに……! 小一時間ずっと考えているけど全然原因とかそういうのが思い当たらない! と、とりあえず……入れ替わってるってことは、私の体にチョロ松が入ってるってことだから、家に帰ってみるしかないよね……やっぱり」
こうして一人でずっと考え込んでいてもラチがあかない。
やっとその事に気がつき、ナス子は重たい腰を上げて自分の家へと足を向けることにした。
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