第107章 【アンケート感謝:チョロ松ルート】彼と私のXXX
時を同じくして、ここはナス子の家。
いつものように目を覚まし、一階に降りようとしたところで気がついた。
階段がない。
むしろ襖もいつもと違っている。
だが、見慣れた部屋。
おかしい、昨日自分は確かに実家に帰り、いつものようにうるさい兄弟達と共に布団に入り眠ったハズ。
もしかして、それは夢で、こっちが現実なのかなと思ったが、その思考はすぐに自身によって否定される。
とりあえず歯と顔を洗って思考もスッキリさせようと洗面台の鏡の前に立つと、そこには恋人の姿が映っていた。
突然のことに驚いて勢いよく後ろを振り向く。
「ちょっ……ビックリさせるなよ! いるならいるって……!」
だが、振り向いてそこにいるはずの人物はその影すらなく、ただただガランとした室内が視界に飛び込むばかり。
おかしいな、確かにいたのに……そう思い、もう一度鏡の方を見れば、やはりナス子の顔がこちらを見つめている。
だが、何度振り向いてもナス子はいない。
そう、鏡の中にしか。
あまりのことに頬をつねってみれば、鏡の中のナス子もまったく同じ行動をとる。
しばらくそんなことを繰り返し、鏡の中のナス子は青ざめて口元はひくつき、チョロ松の脳裏によぎったことが確信へと変わった。
「もしかして……これって……僕、ナス子と……」
「「 入れ替わってる?!?! 」」
時を同じくして、それぞれの場所でそれぞれの悲鳴がシンクロしたのだった。
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