第106章 【一松ルート】花詰草
「は? 僕? 僕は花なんて贈らないから。ぬいぐるみも。それならもっとアイツが喜びそうな物贈るかな、アイツの趣味は理解してる訳だし」
少しでも優位に立とうとしてるのか、それとも天然なのかチョロ松がイラつく事を言ってくる。
まー、アドバイスだし……聞いてやるか。
いや、聞いたのは俺なんだけど。
「ん~そうだなぁ、ぼくは……花束は贈らないかな? 贈るなら一輪だね! どうしてもナス子姉にあげたかったんだけど、これしか用意できなくって……って言えば嬉しさ倍増じゃない?」
「へぇ?」
「ナス子姉に似合う花……似合う、花………あああぁ、浮かばない!」
「それだよ、ほんと浮かばない」
「「「それなー!!」」」
言った3人が指を合わせ合って爆笑する。
ったく、他人事だと思って。
つか何? 今日は飲みするだけじゃないの?
なんで俺の彼女との事情の話になってんの、意味不明。
もう帰ろうかな、エドワードとのプレイを邪魔しなきゃだし。
「なにかナス子姉に合う花言葉とかないかなぁ?」
俺が席を立ちあがると、トド松はスマホを持って花言葉集を検索しはじめた。
「俺………うんこしてくる。長いうんこ……」
どうせ酒で出来上がってきたコイツらだし、そろそろ俺が消えても気にならないだろう。
これ以上いると今度はエロ話題に戻されるだろうし絶対に話したくはない。
会計? そんなの俺がする訳ないでしょ、一応30円くらいはこっそりと机の上に置くと俺は店を出て行った。
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