第106章 【一松ルート】花詰草
「「「「「ないな」」」」」
「でしょ?」
でもいくらセクシーキャットと言えど、初めてモノを贈った時は中身を見る前は物凄く喜んでいたのを思い出す。
「じゃあさ、ぬいぐるみは? 女の子って好きでしょ?!」
「邪魔って言われて終わるパターンだよね、それ」
「姉さん……彼氏が出来てもその女子らしくない性格は変わらないんだね」
「まぁ、長年あの性格だし? 今更ナス子がそんなんでキャアキャア喜ぶようになったら俺全身に蕁麻疹と鳥肌でて寝込むかもなぁ、なははははは」
長男の言う言葉に同じく予想が出来るコイツらは、早速爆笑している。
けど俺も同じことを思う訳だし、そこが変わったらもうナス子じゃない気もする。
「ん~……でもさぁ、好きな人からの贈り物なら喜ぶんじゃない? なんでもさ」
「そういうもんなの?」
一応コイツは人心掌握術の達人な訳だし、ナス子の事だって幼い頃から知っている。
俺にもわからない女心っていうのはコイツの方が詳しいもんね。
「ちなみに……さ、花とかだとどんな……」
「フッフーンそんな事決まっているだろう! レディに贈るとしたら薔薇の花束! 一択だろう? ん~?」
「死ねクソ松、黙ってろクソ松。お前に聞いてねぇよクソ松」
「えぇ?! 折角アドバイスしたのにぃ?」
クソ松の提案は却下。
だって俺だよ? 俺がいきなり薔薇の花束抱えて持ってきたら引くでしょ絶対。
「姉さんだったらどんぐりでも喜ぶと思う!」
「いやないから。どんぐりで喜ぶのはお前だろ十四松」
「チョロ松の言う通りだなぁ、俺だったら花よりもこっちの方がいいけどぉ?」
長男が手で金のマークを作る。
ほんと、コイツはクソだな……全く参考にならない。
「じゃあそっちの3人は何あげるの?」
まだ聞いていない3男・6男に聞いてみる。
酒の勢いってやつだ。