第16章 ヤケクソ療法? カラ松 チョロ松 ※多少シリアスが含まれます
「・・・・・・・・・・ねぇ」
今までの一連のカラ松とナス子の様子をただ黙って見ていたチョロ松が静かに口を開いた。
その存在を忘れかけていたように、二人が同時に声の主の方に視線を向ける。
「お前ら、付き合ってるの?」
「「は?」」
思いもよらぬチョロ松の言葉に、思いもよらぬ言葉をかけられた二人は驚いてコーヒーを飲む手を止める。
「これもう完全に付き合ってるよね?致すこと致しちゃってるよね?あ、もしかしてもう結婚してる?新婚?新婚なの?」
真顔でそう言うチョロ松に、カラ松とナス子は顔を見合わせる。
「何を言い出すんだチョロ松。そんなわけないだろう」
「そうだよチョロ松、何訳わかんないこと言ってんの?寝てるの?」
「いや寝てたのお前だろ!?て言うか、今の流れは僕じゃなくても、誰でもそう突っ込むところだからね!おかしいのは僕じゃないからね?!」
「まぁまぁ、美味しいコーヒーでも飲んで、落ち着きたまえよチョロ松君」
リビングに突っ立ったままだったチョロ松をナス子が手招きしてコタツに座らすと、カラ松が淹れてくれたコーヒーを勧める。
訝しげな表情は崩さず、勧められるがままコタツに入りコーヒーを啜るチョロ松。
「突っ込む所がホント多すぎて全然追いつかないからいいわ、もう・・・」
「何事もフレキシブルに捉えて生きていくのが楽だぜブラザー」
「お前はもう少し何事にも堅硬になったほうがいいけどな」
「ところでさ、こんな午前中からどうしたの?チョロ松、なんか緊急の用事?」
ナス子の問いかけにああ、そうだったと、チョロ松が本来の目的を思い出すと、ここから事態は思わぬ方向へと転換していくのであった。