第106章 【一松ルート】花詰草
この先に希望なんてあるのか、わからないから不安になる。
よくさ、『お前の事は俺が幸せにする』とか言う台詞あるじゃん?
そんな確証もないのによく言えるもんだよね。
特にクソ松なんかが言いそうな言葉でゲロ吐きそう。
そんなクソな台詞を言うよりも、俺はもっと……。
安心させてやりたいと思う。
殺したいと思ってる癖にまた違う事を言ってるように聞こえるだろうけど、それは俺がコイツを本当に心から求めていて口先だけの男にはなりたくないんだよ。
絶対に言葉には出してやらないし、このアブノーマルの思考についてだって吐き出す事はしないけど……。
そんな俺でも臆病にはなるんだよね。
松野一松 と言う男を拒否しないでいて欲しいって。
だから、俺はコイツを試しているのかもしれない。
どこまで俺に付き合ってくれるんだろうとか、どこまで俺の事を好きでいてくれるんだろうとか……確証が持てないから確認する。
それも俺のワガママな希望の一つ。
TVを消したナス子はソファから降りて今度は俺の膝に両手をついて顔を見上げてくる。
「不穏なオーラが顔から出てまっせ、お兄さん」
「この顔は生まれつきなんでね、治せるもんも治せないから」
「そうかなぁ?」