第106章 【一松ルート】花詰草
「あぁ、これね。お節介にも優しい友達が恋愛経験の少ない私に色々と勉強しなさい! って言ってくれたんだけど……なぁんかしっくりこない」
うーんと口を笑ってるような困ってるような表情で表紙を見つめるナス子はそれを拾ってページを捲る。
「んま、当たってる事もあるとは思ったよ? 例えばさっき言った一緒に居ればいる程、似て行くとか?」
「ふーん、でもさぁ。俺達こう言っちゃアレだけど……元から似てる部分あったよね」
「まぁねぇ」
そういいながらナス子は時計を確認してある物を探す。
「これ?」
「ああ、リモコンそっちにあったんだ。ありがと! 今日は可愛い動物スペシャル100連続の特番だからね!!」
「時間的にもそうだと思った、一緒に見ようって約束してたし」
いくら幼馴染で長年一緒にいたとしてもここまでのツーカーの中まではいっていなかった。
このようにナス子の考えが前よりわかるようになったのはやっぱり付き合ってからって言うのがデカい。
それに、人に甘える事の苦手なコイツは俺にはわかりやすく甘えてくるようになった。
やっとナス子のテリトリーに入ったんだなぁとある意味思う。
「十四松も見たいって言ってたし一応録画はしてるんだけどね」
よいしょっなんて叔母さん臭く言いながら俺の膝に顎を乗せ、TV側に顔を向ける。
俺達が付き合い出してから月日が立って、ナス子は俺がいる時に前程頻繁にスマホゲームはしなくなったしアニメも俺と見たいと言うものを見る。
それに二人の趣味であるホラー映画だとかミステリー・サスペンスとか。