第105章 【微エロ】【逆ハールート】なんでもない日常
「ったくー、しょうがないなぁ十四松は。いいよ、お菓子だったら私も食べるし、みんなも食べるでしょ?買ってあげるよ」
「マジっすか! ありがとー姉さん!あいしてるぅ!」
「はいはい」
嬉しそうに突進してくる十四松を軽く受け流し思わず浅く息を吐く。
と、背後からなにか 気配感じて勢いよく振り向く。
「…………これ……欲しいんだけど」
「一松……黙って背後に立ってるのやめて?! 怖いからね?!」
気配を消すのが上手い男に驚き声が若干裏返っているような気がする。
一松が持ってきたのは猫のオモチャとオヤツだ。
これは確実にミケ子への土産だと察するとカゴを差し出す。
「なに? 持てって?」
「違う違う。それ、ミケ子にでしょパパさん」
「ええ、ママさん。うちの愛娘の物です。買っていいですか」
「もちろん、って事でカゴに入れてって意味だったの」
「……あぁ、そういう事か。あざーっす。帰ったら遊ぼう」
「ミケ子が好きそうなものよく分かってるよねぇ」
「まぁ……パパだから」
このおもちゃにジャレるミケ子を想像すると二人とも微笑ましく笑顔が漏れる。
が、周りから見ればただニヤニヤしてる怪しい二人だ。
「あれー? 姉さん他のみんなは?」
「へ? 皆なら今ここに……ってあれ、いない」
今しがた一緒にいた三人の姿が急に消えてしまい、周りを残った三人で見回すが見つかる気配がない。
最近の薬局というものは食べ物なり漫画なり日用品なりと色々売っているためか建物が広い。
地道に探そうとすれば時間もかかる。
「あ、そうだ。トド松がスマホ持ってるじゃん」
いつの間にやら一松がカゴを持ってくれており、手が開くとポケットからスマホをとりだす。
すぐにトド松に電話をしてみたが着信音は聞こえる気配もなかった。