第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
「サーセン姉さん、実を言うとボク達もう銭湯から帰ってきてすぐに気づいてたんだぁ、マジサーセン!」
「え? えー?! どうして? なんで?」
今度は十四松が素直に打ち明け檻の中にいる人物にガバっと勢いをつけてお辞儀をする。
またまた驚愕してしまうのを止められない。
「完全なネタバラしをすると、コレだよナス子姉」
「…………パジャマ?」
「ハッハーン。その通り、俺達のパジャマを見て何か物足りないと思わないか?」
自らのパジャマの襟を整え、檻の前にポージングするカラ松をよくよく目を凝らして観察してみる。
しかしいつもとなんら変わりはない。
「ん~? いつもと同じだよね?」
「そう!! いつもと同じなんだっ、わかるかなぁ? ん~?」
「な、何カラ松。ハッキリ言ってよ気になるじゃん」
勿体ぶったカラ松は楽しそうに笑っており、中々本題に入らない。
何度もポーズを変えてそれでも回答しないカラ松に石でもなんでも投げつけたくなってしまう。
「わっかんない! 焦らしてないで早く言ってよもうっ」
格子をガシガシと引っ張り結局は暴れ始めてしまうゴリ……ナス子。
全員が久しぶりにその猿やらゴリラを目の当たりにして懐かしさに浸ってしまったが、コホンと一咳してトド松が代わりに回答を述べてくれた。
「名札だよ、名札」
「え……………あっ! 付けてない」
「そういう事だ。あの時に俺達全員の名を、名札がついてないのにも関わらず顔を見ただけで当ててしまったナス子は……ズバリ!! 記憶が戻っていたと言う事になる。記憶がすっぽ抜けていた時はあんなに間違えていたのにおかしいとは思わないか?」
結局の所、こちらが掌で転がしてやろうとか面白いとかそんな事も思っていたのに逆に転がされていたと言う事実。