第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
ヤバイ、やっちまった。
背後には一松がおり、ゲスな顔を浮かべて口端を上げている。
「んんんんん?」
もう引き攣った口元で何も言える訳もなく振り返る事すら出来ないナス子に、一松が追い打ちをかけるかのように低く聞こえるように呟いた。
「………………おかえり」
「え、えーーーーっと……なんの事でしょう?」
もう手遅れなのはわかってはいたが、最後の抵抗とばかりに猫撫で声でキャルンと反応をしてみるも、もう遅い。
「いや、もう今更そんな事しても無駄だから」
「あ、あははは」
「ははははは」
なんとなしにナス子から乾いた笑いが漏れて、そこに一松も共に笑う。
「あ! 窓の外にすっごいキュートでセクスィーーーな女の人が全裸で立ってるぅぅぅうぅ!!」
「「「「「「な、なんだってーーーー?!」」」」」」
「━━━━━━━━━━って言うのはウッソー、バァカ馬……っぶぉぇっ!!」
一斉に六人が窓の外を確認しようと視線を外すその瞬間、一松の手をすり抜け脱出ゲートなる襖へと走る、が自分が投げ捨てた布団を踏んでしまい顔面からベシャリと床に転んでしまった。
「ハッハッハー、諦めるんだな」
━━━━━━━━━━ガシャアアアン
チョロ松がどこからか取り出したリモコンのスイッチを押し、どこかで見た事のある形状の物が頭上から降ってくると、すぐ様ナス子の身体はその中に一人閉じ込められてしまった。
「痛った~……って、えええええぇ?! ちょ、これ……檻っ、檻ぃ!! どこかで見たヤツっっ」
騙されたには騙されてくれた六人だったが、窓を見た瞬間カーテンが締まっている窓を確認しすぐにナス子の嘘だと気づくと、檻の格子を掴む彼女へとユラリと近づいて行く。
「残念だったなぁナス子~」
「フッ、これぞ ジ・エンドだなぁ? 逃げられないぜぇ?」
「ネタばらしといきましょうかぁ? あぁ?」
更に歩み寄る嫌な笑みを浮かべた一松が格子越しから手を入れ、固まる相手の顎を上げさせ至近距離でヒヒッと笑いを漏らすのだった。
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