第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
「そこのロクでもない末弟を差し出してくれれば何もしないよ、ナス子」
チョロ松の目がマジだ。
「トド松、この中から選んでいいよ? どのお仕置きがいい……?」
そして一松なんか変な道具を持っていてとても危険だ。
闇松さながら本当にいつか逮捕されたらどうしようとまで思ってしまう。
「うわーん、ごめんなさぁい!!」
「ほら、トド松君も謝ってますし」
「世の中はあざとく謝りゃいい程甘くねぇんだよぉ、とどまぁつ」
思っていた方向とは、本当に全く違ってきている事にスゥっと息を吸って大きな声でナス子は止めに入る。
「待って下さい!!!」
「「「「「「 !? 」」」」」」
トド松も合わせ、全員がナス子の大きな声に反応し足がピタリと止まる。
ジッと視線の先が変わってしまい、何かを言わなければと思ったナス子はふと、ずっと全員に聞きたい事があった事を思い出し、この機会とばかりに口に出す。
「こ、今度は私から話してもいいですか……!」
「話? もしかして何か思い出したのかナス子」
カラ松は何やら期待の笑顔が出ているが、ヘラっと笑うだけで逃げる。
そして今度は強く瞳を閉じて、こう叫ぶ。
「あの……っ、あの……っ! 皆さんは……わ、わわわ、私の、どこが好、好きなんでしょうか?!」
とても素面では聞けない状況だし、いや酒は飲んではいないが今の機会なら聞いてもいいんじゃないだろうかと思うと、ずっと思ってた事を口に出した。
回想ではよくわからないものばかりで、まるで別人の自分が造り出され、よりその聞きたい感情がナス子の中で強くなっていた。