第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
「一松兄さんはさ、ああ見えて寂しがり屋だから、どこかで猫でも集めて猫大国でも作ってるのかと思ったけど、近所じゃそんな噂もないし、闇松さながらの事件も起こしてないみたい」
「一松の事も警察に聞いてみたんだね?」
「うん、一松兄さんだけじゃなくて一応全員ね。あのクソ兄達ならいつどこで何をして捕まってもおかしくないとは思ってたからさ……」
「十四松は?」
「ああ、十四松兄さんね……ハタ坊に頼んでNASAに連絡してもらった。今宇宙中を探してくれてるよ」
「一番行方を探すのが難しそうだもんね、アイツは」
「うん………は~、ほんっっっっと困った兄さん達だよ。ありがとね、ナス子姉」
兄の行方を捜し始めて二人で情報交換も沢山している。
でも、今の所は全く誰のところにも行き着く気配はない。
「ううん、アイツらは私にとっても家族みたいなものだし、出来る事はしたいもん」
ナス子姉はすぐ感情が顔に出る、空気もわかりやすい。
ぼくがそういうのを察知しやすいって言うのもあるけどさ、でもわかりやすい類だとは思う。
「……寂しいね、トド松」
いつもならこんな事があったら確実に泣いているこの状況なのに、ナス子姉は珍しくまだ一度も涙を見せていない。
いないどころか、ぼくを気遣って無理して笑顔を作ってるんだなって事がわかっちゃうんだよねぇ。
「……死ねばいいって思ってたのに、まさか……まぁ、死んではないと信じたいけど居なくなるとはね」
「……………トド松」