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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ



「十四松ぅぅぅ……ひっく、カッコ、よかった、よっ……一番っカッコよかった……負けちゃったけどっ……私にとっては、十四松が優勝だからっ……だからっ……!」

「ありがとう姉さん。ボクね、頑張ったよ。すっごく悔しいけど、後悔はないよ! 精一杯やったもん!」

「う、ぐすっ……十四松……ごめん、泣きたいのは、十四松のほうなのにっ……」

「姉さんは優しいね」

「そんなこと………っ」

抱き締め合っていた身体を少しだけ離して、ぼくは姉さんの唇にキスをした。
そしたら、今泣きじゃくっていた姉さんの目が、真ん丸になって僕を見つめ返してくる。すっごくビックリしたみたい。

「ごめんね姉さん、嫌だった?」

「っ……び、びっくり、した……」

「ごめんね、あのね姉さん、僕ずっと言おうと思ってたんだ。本当は、甲子園で優勝したら言おうと思ってたんだけど……ぼく、姉さんの事が大好き! ぼくの恋人になってください!」

「十四松……っうん、私も十四松が大好き……!!」

「ホント?! あははっ、ヤッターーーァ!!」

そう言って、ぼくたちはまたお互いを強く強く抱きしめた。
試合には負けちゃった日だったけど、この日は、ぼくにとって本当に本当に、特別な日になったんだ。

<十四松 回想終わり>

「どっスか?! どっスか?!」

「イイハナシダナー」

甲子園に出場したこともなければ行ったこともないはずの十四松の妄想が炸裂した。
どこのたっくんだ。

「この思い出のミソはね、野球ってところだよねえ、ぼくらしいっていうか」

 うんうんと自分の回想に納得のいくように笑顔のまま頷く十四松。

「トッティ、突っ込まないの?」

「は? もういいんじゃない、それでぇ。突っ込み疲れてきちゃった」

 そりゃそうだろう。
 長男から始まり五男までの回想は何一つと言っていい程当てはまっていない。
 寧ろこれは彼らの憧れのシチュエーションなるものだろうか。

「トド松君、大丈夫?」

 ナス子が疲れ果てて目を細めるトド松の顔を覗き込むと、キョトっとした大きな瞳で見つめ返される。
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