第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
「お兄さんはどこから来たの?」
「関係ないだろ」
「そうだけどさぁ……まぁ言いたくないならいいんだけど。放っておくのは無理!」
「は?」
ニっと笑ってコイツは最終的にこう告げる。
「お姉さんの家、いこっか」
「………………他人の男を家に上げるとか非常識すぎない? 警戒心とかないの?」
「はいはい、皮肉はまずは温まってからね? 私のマンションすぐそこだから、行こう」
「…………」
「私一人暮らしだし大丈夫だよ。他に誰もいないし警戒しないでね」
なんて馬鹿な女だとは思うよね、だって普通一人暮らしで自分は女なのに、普通男を家に入れようとかする?
警戒しなきゃいけないのは俺じゃなくてアンタだろ。
「あ、でもウチに猫がいるけど……猫好き?」
「好き」
「じゃあ大丈夫だね!!」
こうして俺は、ナス子の家のペットになった。
<一松回想終わり>
「扱いが猫じゃん! ニボシって……あああ、だから何で?! なんでそうなるの……っ? お前もかよ!! あ、ごめん、ついお前って言っちゃった。 他人とか普通に言っちゃってるし、恋人じゃなくてペットって!! 何のプレイなのそれ、わかんないんだけど、それに見ず知らずの男を家に入れるとか回想でも言ってるけど馬鹿でしょ! もっと突っ込ませてもらうと行く当てがないって……家あるじゃん……っ、はぁ、疲れた」
「……一松さんは、私に拾われてペットになったんですね、うん」
ハンカチを普段持ち歩かない事くらいしか当たっていない。
なんだこの好き放題な自由妄想空間は、けど話している兄弟達は満更でなく楽しそうで、トド松もちょっとツッコミに疲れたような表情にはなっているがそれでも使命の為か頑張っている。関心しかない。
「ナス子姉、コイツらの話してる事は全部脚色だから。信じないとは思うけど一応ね、一応教えておくからね」
「そうなんですねぇ」
この流れは、きっと記憶をまだ失っていても真実味がないだろう。
でもこっちも突っ込みたいけど余計な事は言えないのでトド松にしかツッコミは頼めない。