第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
なんせ、他のカラ松ガール達の視線もある。
実は俺の魅力に嫉妬する悪の組織にも狙われていて、そんな連中にナス子に目を付けられたくはないと思っていた。
「寂しいなんて、そんな事全然思ってないよ私。カラ松がカラ松で居てくれる事、私はそれが一番嬉しいんだから……」
ライブハウスの控室、俺はナス子と二人きりで待機していた。
差し入れを持ってきてくれるナス子はシャイで謙虚で自己主張も低い。
「じゃじゃ~ん! 今日は喉を潤す為にかりんドリンクを作ってきたよ! かりんは喉にいいんだってさ」
健気な彼女の反応に俺はつい笑みが零れてしまった、今にでも抱き締めてしまい俺のモノ、俺だけのナス子にしてしまいたい。
鍵のかかった控室だ、抱きしめようと思えばいつでも愛の抱擁を交わす事は出来る。
「サンキューだ、ナス子。いつもすまない」
「へへっ、いいんだよ! 私は世界一格好良くて優しいミュージシャンのカラ松のファン第一号にして幼馴染ですからっ」
「そうだったな、ギターを習い出した俺の演奏をいつも聞いてくれたのも思えばお前だった」
「カラ松が私に作ってくれた初めての歌、覚えてるよ?」
「そ、そんな昔の歌を覚えてるのか?!」
かなり昔の事だ、しかもギターを始めたのはただモテたいと言う一心だったから。
そして尾崎のように渋く格好いいパーフェクトボーイになりたかったからだ。
「忘れる訳ないでしょ、なんたってカラ松が作ってくれたんだもん」
「ナス子……お、俺は……」
思わず俺の両手がナス子の頬を包む。
「か、カラ松?! 急になにして……っ」
「このライブが終わったら、話がある……聞いてくれないだろうか」