第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
しかもキッスしたと言うが、最初に互いに恋愛感情もない時にキスしてきたのはおそ松の方だ。
全力で突っ込みたい、手が滑りましたとか言って灰皿をフリスビーのように投げつけたい……。
打ち震えるナス子が否定したくても否定できない状況の中、対抗するように他の人物達も続いて行く。
「思い出すよねぇ、僕の場合はある本屋さんでの出来事だったなぁ」
<チョロ松回想>
ある本屋での出来事。
「あ、この本新刊出たんだ」
僕が欲しい本の新刊を見つけて手を伸ばしたら、たまたま同じ店にいたナス子が同じ本に手を伸ばして互いの手が触れ合ったっけなぁ。
「あ、ごめんなさい」
「あぁ、いや……僕の方こそ」
触れ合った手が恥ずかしくて二人で俯いちゃった後にナス子が笑顔で話しかけてくれたよね。
「あの、この本好きなんですか?」
「え、ああ。うん」
「ならどうぞ、一冊しかないしきっとその本も私よりも貴方に買ってもらった方が嬉しいんじゃないかな」
なんて事を言って本を譲ってくれたのが出会いだったよね。
「え、でもそれじゃあ君が読めないし」
「んー……じゃあ、今度また会って……貸してもらえますか? また会いたいなぁ、なんて。へへ」
「ももももも、勿論!!」
それから何度か会ううちに僕らの気が合って、なんとなく流れで付き合うようになったんだよ。
「ナス子……さん! ぼ、僕と……おおお、お付き合いしてもらえませんか?!」
「え……」
「何度か会ううちに君の事意識しちゃったって言うか……その」
「………ふふっ、私も一緒です。お付き合い、宜しくお願いします」
<チョロ松回想終わり>