• テキストサイズ

【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ






「いいか? よぉく聞いて! 俺はお前の彼氏兼婚約者で、いっちばん俺の事好きって言ってたの、わかった?!」

 六つ子が銭湯から戻りナス子も風呂を上がった後の事。
 また兄弟達の部屋に集まると、早速抜け駆けのように長男が滲み寄る。

 敷かれている大きな布団の上には乗らず、ソファに腰掛けていたのだが、詰め寄る長男を見上げ思わずその台詞にポカンと口を開けてしまった。

「フッ……何を馬鹿な事を…………ナス子 is lover が最も愛した男……それは俺ぇ、カラ松さぁ」

 六人お揃いのパジャマでカッコがつかないカラ松だが、その顔だけはキメ顔だ。
 二重の瞳を煌びやかに見せつけ、睫毛バシバシにアピールしてくる。

「嘘は良くないよ嘘は。いくらナス子の中で僕らの記憶がすっぽ抜けていたとしても、違う記憶で埋めるのは常識的に考えてどうなの? こんな事皆の前で言うのもなんだけどさぁ、実はアイツ……僕の事が一番好きだって言ってたんだよね。皆には黙ってようと思ったけど、ここは状況的に考えて言わざるを得ないって言うの? いやぁ、僕的には黙ってたかったよ? 多分ナス子も秘密にしたかったんじゃないかなぁ……ほら、僕達って親友でもあった訳でなんでも話せちゃう仲だし、かと言って素直じゃないナス子が皆がいる前でそんな重大かつ重要な事を言えるような女じゃないのもわかるでしょ? そう考えると━━━━━━━━━━」

「いや長いから。それにナス子がそんな事言う訳ないし……ただ俺の事を特別だって話はしたけど」

 この六つ子は銭湯でどんな会話をしてきたのだろう。
 帰ってくるなり記憶を思い出させるどころか記憶を改ざんしようとしてきている。
 さすがだクズども、さすがだカスども。

 ここで本当にまだナス子が何も思い出せていなかったら確実に混乱の状況となったであろう。

「それなら僕だって! ボクが一番姉さんの事好きだよっ!!」

「……じゅっ……ごほっ、ごほっ!! 花粉が喉に引っかかって咳が……っ、いやぁ、困ったなぁぁ、ごほっ」

 言ってる事が他の兄達と真逆ではあるものの、その台詞はキュンときてしまう単純彼女。
 十四松の論点がズレている事は本人は気づいているのかいないのかはわからない。
/ 2205ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp