第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
カラ松、チョロ松が見守る中、ナス子は布団の中へと入る。
思い返せば仕事から帰ってきて気絶していた時間以外は寝ていなかった為に急な眠気がナス子を襲って来た。
「ナス子大丈夫? 痛いって言うのは怪我の方じゃないよね?」
チョロ松に優しく頭を撫でられて目を瞑って返事を返す。
「怪我は大丈夫ですよ、よほど強く触らない限りは」
「本当にすまなかったな、覚えていないとは言え不可抗力にも物を投げてしまって」
「いえ……」
もう思い出しているが痛みよりもすぐに気絶してしまった為かそこまでその場での痛みはなかったように思う。
同じくカラ松にも遠慮がちに頭部に手を乗せられて二人の手に心地よさを感じてしまう。
「ねむ……ぃ……」
我慢出来ずその言葉だけを残し、眠ってしまったナス子に二人は安堵の溜息をつく。
やんわりと困ったような、それでも癒されてしまうような表情で彼女を見て立ち上がると、起こさないようにと元の部屋へと静かに戻って行った。
・・・
夕方に目覚め起き上がると、少し傷の部分が痛む。
起こしてくれたカラ松と十四松が松代にはナス子は体調を崩しているから夕食は自分達が運ぶと主張したらしく、部屋から外に出る必要はないと言う。
記憶がなくなっているのを隠す為だ。
持ってきてくれた夕食を食べ終わり、皆は一度銭湯へと向かい
ナス子は松野家で松代、松造の目を盗み風呂に入った。
風呂の中一人悶々と考えるナス子はお得意の独り言が漏れる。