第104章 【逆ハー：卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ

　そして、この些細な衝撃でナス子はあろう事か簡単に全てを思い出してしまう。
　便器に座ったままの状態でブツブツと独り言を述べ始めた。

「ヤバイ。いや、ヤバくはない……思い出せたのはいいとしよう。しかしここで思い出しました★　てへ～★　なんて言ってみろ私」


　絶対に襲われる。

　しかも自分が怪我をして記憶を失くした原因は元はと言えばアイツらがモノを投げてきた所為だ。

　ここはもう少し記憶喪失を堪能し、ヤツらの様子を見るのも面白……仕返しと言う事でいいじゃないか。

　必死になってる六つ子もまた愛情が沸いてしまい、そんな松達を見ていたい願望もある。

「よし、私はまだ知らない。記憶がない、うん、それで行こう。んで、今日の夜辺りにでもネタバラしをして……」

　絶対に襲われますよ。

「…………まぁ、その時はその時だ。嫌じゃないもん」

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━━━━━━━━━━ガラっ

「お待たせしました、お話の途中で席を外してしまってすみません」

「あ、トイレわかった？」

　やはりチョロ松が聞いてくれて、ナス子はこくこくと頷く。

「はい、ちゃんとわかりましたよ。ありがとう、チョロ松」

「そっか、なら良かった。今話してたんだけどさ」

「？」

「もう一度、記憶を失くした時と同じ事をしてみたらどうだろうって話になってるんだよね」

　マジかよ。
　それ今度こそ死亡フラグじゃん、勘弁してくれよベイベー。

「え、えっと！　それはまた私が何か物を投げられると言う……」

「そそ、ナス子には可哀想だけどさぁ。もうこれ以外ないって言うの？」

「ちなみに俺は反対したぞ、いくら俺達の事を忘れてしまっていても、大事なラヴァーを傷つけるのは如何なものかとな」