第104章 【逆ハー：卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ

　と、言うより、何かわからない感情ではあるものの
　この六人が何だか特別な存在だったのではないだろうか、話していて可愛いとか思ったり、至近距離に近づかれればドキドキしたりと忙しい。

「なぁに？　ナス子ったら照れてんのぉ？　俺らの仲なんだからこんくらいの距離普通普通」

「そうなの？」

　周りに確認をとると、今にも長男を視殺でもしそうな弟達が目に入る。

　心の中を訳せば、何抜け駆けしようとしてんだ。と言う言葉がハッキリと浮いて見えた。

「なはははは、気にすんなってぇ！　俺らいっつもこんな感じだったよぉ？　やっぱ普段通りに接した方がさ、お前も思い出すかもしれないじゃん？」

「おぎゃっ、だからって肩を抱かれても……っ！！」

　グイグイとおそ松を引っぺがそうとするナス子とおそ松の間に、冷酷な視線で見下ろし真ん中に座ってくるチョロ松。

「ったく、お前さっきの話聞いてた？　余計な事はするなって言ってるだろ？！　大丈夫？　ナス子」

「あ、うん……あり、がとうございます。チョロ松さん」

「えーと、そこは調子が狂うからチョロ松って呼んで欲しいな」

「はっ、すみません！　ちょ、ちょ、ちょ、チョロ……松」

　なんとも恥ずかしそうにチラリと上目遣いになってしまうナス子は照れたままチョロ松の顔を見る。

「━━━━━━━━━━っ………んんんっ」

「はーい、チョロ松兄さん退場」

　ズルズルと引きずられ、後ろに退場させられたチョロ松。
　暫くは一人戦うハメになる。

　結局おそ松とナス子の間にはトド松が入り、おそ松のセクハラを邪魔する係になった。

「ダメだな、アルバムを見ても過去を話しても全くナス子に変化がない」

「ごめんなさい」

「………だから、アンタが謝る事ないって」

　闇松と呼ばれている一松は、なんだかんだ優しいのだと認識すると、彼には少し人見知りをしていたが、それも消えていく気がした。