第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
耳を塞ぎ大声のトド松だが、そこに煩いとチョロ松から突っ込みが入る。
「神社の隅っこでナス子が泣いてた」
「え?」
「置き去りにされたのは俺だけじゃなかったんだよね」
「な、なんだって?! あぁ、ナス子……その、時間が経っているとは言え悪かった……今なら死ぬ覚悟でお前を見つけ出すものを」
謝るカラ松に慌てて両手を振り、大丈夫だと宥めるナス子。
一松がその後見つけてくれて良かったなぁ、と安心する。
「カラ松は昔飽きっぽかったし、鬼にするには向いてなかったなぁ」
「お、おそ松……それはもう過去の事で……」
「でも女の子を置いて先に帰っちゃうとか最低だよねぇ、ぼくならそんな事しないよ、ナス子姉♪」
「あ、ありがとう。トド松君」
名札を見て、やっとトド松の名前を口に出す。
ポカンとしたトド松だったが、その後少し剥れてナス子にこう告げた。
「ねぇねぇ、ナス子姉さん。ぼくの事はトッティって呼んでよ? トド松でもいいけど、トッティの方が言いやすいでしょ? ね?」
「と、トッティ?」
「うん! ぼくのあだ名だよ、覚えやすいでしょ」
「そ、そうだね! じゃあトッティさんで……」
「ダーメ! くん、も、さん もナシ!! トッティだよ?」
「トッティ、わ、わかった」
何故かこのあどけない表情が可愛く見えてしまう。
これは末っ子たるものなのかはわからないが、十四松やトド松は割と接しやすいと心の中で思った。
「あ、の、ね? それよりも……」
「ん? どしたぁ?」
「おおおお、おそ松君ちょっと近くないかな?! もう肩ぶつかってるんだけど……私もうちょっと離れようか」
気づけばおそ松はナス子との空いていた空間から詰め寄り肩がぶつかる程密着をしている。
何でこんなにくっついているのかわからないが、男の人にこんな風にされるとドキドキしてしまう。