第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
「おそ松兄さん、気持ちはわからないでもないんだけど、ちょっと大人しくしててくれる? うるっせーから。あ、ごめん、うるさいから」
「お兄ちゃんお前のそういうとこ好きじゃない」
「あ、ねぇねぇ自己紹介しようよ! 相手の事を知るにはまず自分達の事を知ってもらわないとでしょぉ?ボク達は姉さんの事は知ってるけど姉さんはわかんないもんねぇ」
十四松が手を上げて、なんともマトモらしい事を言う。
五男の意見を賞賛するように残りの五人が彼を褒め称えると、嬉しそうに十四松は頭をかいた。
自己紹介、今更な関係で完全に脳内になかったがそう言えばそうだ。
今のナス子には自分達の記憶が消えてしまっていて、それに加えて六人の区別もつかないらしい。
それならば、まずは自己紹介からしてこれから色々思い出して行ってもらうしか他ない。
丁度よくもナス子は今日から三連休。
出来ればこの期間内に一刻も早く思い出してもらって当初目的であった一人占めを堪能したいところだ。
下から松代の声がかかり、急いで朝食に降りていく六人。
残されたナス子はこの家に一緒にいるミケ子だけは覚えていた為、ミケ子を膝に乗せて撫でている。
ナス子は仕事のあった次の日は朝食は一緒に食べない為、降りて行かなくてもなんの疑いもかかる事はなく、一人覚えのない部屋を見回していた。
「結局ここ、どこなんだ。質問攻めされるだけだし説明ないからわかんないけど……この家は松野家で、さっきの六つ子さん達の家。で、この部屋は彼らの部屋っと」
混乱している頭の中、一人で勝手に整理する。
けど、やはりピンとくるものは何もない。