第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
全く同じ顔の六人が一斉に自分に向いてギクリと肩を竦める。
「あ、あの……なんでかわからないんですが、忘れてしまってすみません!」
焦って困った様子で全力でお辞儀をして敬語な目の前の恋人に、もの凄く違和感が出てしまう六人。
こんなシリアスな場では本当はもっとシリアスな展開が起こるのだがやはり腐っても六つ子……そうはいかず、違和感と言う気持ち悪さに全員鳥肌が経ってしまう。
((((((怖━━━━━━━━━━っっっ!!!))))))
どう返事をしようか迷う六人はテレパシーのように脳内会話を開始し、ナス子が何かツラツラ慌てて話している言葉は聞こえていない。
(どうしよう、怖いよ! 誰コイツ……っ こんなナス子俺見た事ないんだけど?! 最早他人じゃんっ)
(そりゃ、そうだろ。僕らの事だけ忘れてるって事はそれはもう他人としか見れないでしょ。気持ち悪いけど)
(敬語どころか態度までしおらしくないか? こんなナス子の姿なんて一度たりとも見た事がないぞ……ゴリラ要素が一つもない)
(………いやゴリラ要素って、今そんな事気にしてる場合じゃねぇだろクソ松)
(ナス子姉さん性癖変わっちゃったぁ?!)
(とりあえず、気持ちは悪いし吐きそうだけど……日も明けてくるし母さん達も起きる時間じゃない?)
トド松のテレパシーに全員がハっとなる。
(そうだった、俺達何も言わずに出てきちゃったんだった。もうココは早くコイツ連れて帰るしかなくね?)
(だ、だがどうするんだ?)