第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
あまり騒ぎ立てたくない松達は、松代や松造に内緒で気を失って倒れてしまったナス子を布団でグルグル巻きにして死体でも運ぶように怪しい動きで慌てて外に出て行った。
向かった先は病院ではなく、デカパンラボだ。
何故だかここに足が向かってしまった松達。
実験台のようなところに横にされたナス子を全員で取り囲みながら各々心配そうな表情を浮かべている。
「デカパン博士! 姉さん死んじゃった?!」
「おいっ! 縁起でもないこというなよ十四松!」
ナス子の容体を診終わったデカパンが六つ子の方に向き直り、深妙な表情を浮かべる。その表情を見て、六人がゴクリと息を飲む。
「これは…………ただ気絶してるだけダスな」
あっけらかんとそう言い放ったデカパンの台詞に、一気に緊張が解ける。
「あとは頭に少し外傷があるダス。でもこれは手当てすればすぐに治るダスから心配いらないダス。ちょっと滲みるダスが……」
言いながらデカパンが傷に薬を塗ると、相当滲みたのか、大声を上げてナス子が飛び起きた。
「イタ────────────イ!!!」
「あ、起きた! おはよう姉さん!! よかったぁ!」
十四松が喜びで起きあがったナス子を抱きしめようとすると、その動きからナス子は咄嗟に避けて十四松は壁に激突してしまう。