第103章 【リク作品】【逆ハ卒業ルート】六つ子と私:(過去編)あの頃
「うん、よくわかんないけどわかる」
「なんだよそれ? ちょっと待って。本当に見分けられるかシャッフルしよう!!」
結局兄弟の話は一度置いといて、な流れになり私は後ろを向いている。
その間にドタバタと言う音が聞こえてまた畳が擦れる音。
多分、皆が場所を変えて座ったのだろう。
「はい、いいよ。いつも声じゃなきゃ判別出来ないって言ってたし黙るから当ててみて」
「うん」
またチョロ松の声がして、私は振り向く。
六人が横並びになってさっきとは全く違う場所に座っている。
順番に指を差して答えてみると、またも名前が当たってしまった。
「なんだろう? 皆どっか変わったっけ?」
「それはそれで失礼じゃないか、ナス子」
「あ、ごめんカラ松」
六人同じ感じで大きくなったなぁ、なんて思ってたのに今度は違いまでちゃんとわかるようになるなんて……。
嬉しい半分、やっぱり寂しい半分だ。
「一生見分けられないと思ってたナス子姉がねぇ、まさかそんな洞察力があるなんていがーい」
「余計な事を言うなトド松」
「てへ」
「可愛く繕ってもぜんっぜん可愛くないから!!」
高校デビュー? 高校デビューなのかコイツら!
まさかそんな単純な事が起きたの?!
お姉ちゃんわっかんない。
だけど、罰ゲームだと思っていたこの長男から末っ子までのものはこれから続くという事で。
また胸がざわつく。
別に六人は六人。
判別も出来るようになったし、よくわからんが個性みたいなものが出てきてる気がするし、別段コチラが困るような事は何もない。
おそ松達が兄さんと呼ばれてるのを見ても、勘違いだったとしても見慣れた訳で違和感もないのに不思議だ。