第103章 【リク作品】【逆ハ卒業ルート】六つ子と私:(過去編)あの頃
相手が男の子だからなのか、色々な違いにビックリさせられたり寂しくさせられたり感心したりな私だったけど、この出来事だけは多分一番ビックリしたかもしれない。
月日が経ち、当たり前の日常が急変した。
「………ねぇ、何でそんなボロボロなのアンタ達」
「別に!」
もう松野家六つ子は立派な高校生。
高校生と言えば小学校、中学よりも大人に近づいてくる訳だけど……
何故だかコイツらの日常は兄弟喧嘩が増えていた。
「おそ松、別にって何別にって? まぁた喧嘩したでしょ! あぁ、もう……十四松のほっぺ血が出てるじゃん」
「あは、くすぐったいよ姉さん」
ハンカチなんて持ち合わせていないズボラな私は昔から健在で、部屋にあるティッシュで十四松の頬の血を拭きとる。
「んー、血が固まってきてるな。顔洗ってきた方がいいよ」
「うん、そうするー!」
バタバタと十四松が自分の家の廊下を走って行って、他の皆は口を開こうとはせず仏頂面。
「━━━━━で? 今回は何が原因で喧嘩になったの? この前は誰が一番トト子に好かれてるかだっけ? あれはムダな喧嘩だったけど」
松代さんが居ない時は私がこうやって叱り、宥め役を変わる事もある。
この家に遊びにきた時だったり、一緒にいる時限定だけど。
「だから! ………あー? っと、なんだっけカラ松」
「は? えーと……原因はあれだあれ」
「あれって何、カラ松」
たまにこういう時がある。
喧嘩の増えたこの六つ子は喧嘩に白熱して原因を最終的に忘れたりする。
「はぁ……今回は何で喧嘩してたか忘れたバージョンなのね」
「うーん、ムカついたのまでは覚えてるけどそこからもう何にも思い出せないよね。殴り合ってたらナス子が部屋入ってきたし」
「チョロ松兄さんも言ってるけど、ぼくも同じ。まぁ、忘れたって事はどうでもいい内容だったんじゃない?」
「兄さんねぇ」
んー、最近の流行りなのかな。
いつからか忘れたけど、この六人に序列がついた。
最初はビックリしたけど、きっと何かのゲームでもして遊んでるんじゃないかとずっと私は思ってた。
それにしてはこの、兄、弟的な呼び期間が長いような気もするんだけどね。