第103章 【リク作品】【逆ハ卒業ルート】六つ子と私:(過去編)あの頃
とか思ってるうちに六つ子の興味は一気に逸れてエロ本まで消えている。
どこかに隠したなとは思ったけどこれ以上追求するとまた弄られるので黙っておく事にしよう。
見れば気勢のいい声を出し皆が囲う中で二人の兄弟が腕相撲をしようとしていた。
「いっくぞおー、ファイっ!!」
今の掛け声はおそ松で、競い合ってるのは多分カラ松とトド松。
「ふんぐぐ………っ」
「う……、ぐうううう」
「急に何始めたの?」
私もその円に混ざって座ると、隣のチョロ松が答える。
声で判別できるようになったのは便利だけど見かけも見分けられたら楽なのになぁ。
「ああ、俺達の中で誰が一番強いかって話を実はナス子が来るまでしてたんだよ」
「そうそう、それで腕相撲で勝負しようって事になったんだよね」
もう一方の十四松が口を開き、誰が誰か判別する。
「3.2.1.………終了~! まずはカラ松の勝ちぃ!!」
「よっしゃー!! 勝ったぜっ、見たかトド松」
「うぅ、まさかカラ松なんかに負けるなんて」
六つ子は六人でセットってずっと思ってたけど、こう大きくなってくると力の差も出てくるもんなんだなぁ。
「次誰やる? あ、カラ松はトーナメント戦だから一旦休憩な!!」
「フン、誰が相手でも俺が優勝してやるさ」
なんだろう、なんか変なの。
知ってる仲なのに、皆が声変わりした時に感じた違和感がする。
私の方が年上なのに、一人だけおいてかれてるような、そんな感覚。
「はーい、じゃあ次は僕がやる!! 相手は?」
「十四松かぁ、んじゃ相手は俺━━━━━━━━━━」
また次の勝負が始まると言う事で、私はおそ松の声を遮って咄嗟に挙手する。
だって皆だけで盛り上がってるのって寂しいし、それに私だけおいてかれてるようなこの感覚ってなんだかざわざわしたから。