第103章 【リク作品】【逆ハ卒業ルート】六つ子と私:(過去編)あの頃
「見るのはいいけど女が見て面白いものでもないと思うけど」
「成人男性向けの雑誌だしな」
成人でもない男共がよく言うわ。
でもカラ松とトド松はおそ松と違って取り返そうとはしないで、私が床に座ると一緒に座って見ようとしている。
「め、めくるよ?」
「う、うん。めくれば?」
「興味ないけどナス子姉が開くって言うなら見ない事もないよ」
ゴクリと唾を飲み込む音が3つ。
もしかしてこれ、おそ松だけ目を通してて、他の皆はこの雑誌の存在知らなかったのかな。
ペラっと表紙をめくると、水着でスタイルのいい女の人が際どい恰好でポーズを決めている。
「………うわぁ………こういうのが好きなの? ねぇ、トド松」
「は?! べ、べべべ、別に僕がこれ買った訳じゃないし」
「カラ松は?」
「俺は、その……嫌いじゃ、ない……けど」
なんて細い目をしてつい三人で顔を真っ赤にしてしまう。
本当は年齢制限もあるし読んじゃイケナイもの。
悪い事をしている高揚感みたいなものもあるし、ページをめくっていくと裸の女の人の写真まであって咄嗟にバンっと雑誌を閉じてしまう。
「「「「「「あっ」」」」」」
「え?」
振り向けばいつの間に集まったのか、全員が私を囲んで顔を赤くしながら一緒に中身を見ていた。
「なんで閉じるんだよ、開いたなら最後まで見ようぜ?」
「もういい! 満足っ」
「おそ松、いつの間にこんなの買って来たんだよ。よく買えたな」
まだ恥ずかしさの残るチョロ松がおそ松にわざと呆れ顔でそう言うと、おそ松は片手を振って弁解をする。
「あのなぁ、俺の小遣いいくらだと思ってるのチョロ松。これ父さんのだから」
「父さんの?! え……なんだろう、あんまり聞きたくなかったなぁ」
エロ本に食いついていた癖に、松造さんの所有物と知って顔を赤らめたままのトド松ががっかりする。