第103章 【リク作品】【逆ハ卒業ルート】六つ子と私:(過去編)あの頃
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そんなある日の事、いつものように学校の休みに松野家に遊びに来て漫画の棚を漁っていると、後ろから同じく立っていた松から声がかかる。
「あれ、ナス子姉ってこんな小さかったっけ?」
この悔しすぎる言葉は今でも私の心に刻み込まれている。
さてさて、この時期くらいからだろうか。
声変わり以外にも彼らに変化が出てきたのは。
記憶力は定かではないので怪しいけど。
特に、私への態度や話し方とか。
あ、私の態度も若干変わってきたかもしれない。
だって言い返さないともっと虐められるからね!
見た目は同じだけど声は判別出来るので説明しよう。
「チョロ松、私が小さかったんじゃなくって皆が大きくなったの! 悔しいけど男と女の成長期は違うのっ」
最初に私の身長を言ってたのはチョロ松。
私の後ろに立ってポンポンと軽く頭を叩いてくる。
「ん、ほんとだ。普通に見下ろせる、昔は見上げてたのに変な感じだなぁ」
「カラ松も見下ろさんでいいわっ……って私も見上げるのが悔しい! くそーっ」
「痛って!! 足踏まなくてもいいだろっ」
と、このように私を見下ろして不思議そうな顔をしていたカラ松の足を痛くない程度に踏んでやると、わざとらしく足を押えて転がるカラ松。
六つ子の中でも声は低い方だ。
「俺は気づいてたよ」
多分、この中で一番声が低く変わったのは一松かな。
ちょっとくぐもったような声で。
でもテンションが変わると急にいっちばん高い声を出したりもする。
「う゛……一松は気づいてたんだね。実は私も皆が大きくなった事は気づいてたけどさぁ、言いたくないじゃん?! 大きくなったねって! だって言っちゃうとチビって認めてるみたいだし」
だってさ、相手は年下だよ?!
今まで私の後ろを姉さん姉さんと慕って(?)ひよこみたいについてくる子達だったのに。
それが急に私よりも背が伸びて、声まで変わって、それに比べて私はあまり変わってないどころか小学生から身長が止まったのかと思うくらい変わらない。
小学六年生くらいから何かの透明の板でも頭の上にあって身長が伸びるのをわざと邪魔されてるみたい!