第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
一松の言葉に私は一瞬時を止めた。
誰が一番って何?なんでこんな事を言い出したの?!
「ほら、あれだよトド松の兄弟ランキングみたいなヤツ・・・」
「えー、あの時の話出しちゃう?一松にいさ~ん!」
トド松の兄弟ランキング?私それ知らないけども。
なんだそれ、トド松の中には兄弟にランキングなんてあるのか!
さすが六つ子、やっぱり相性が合う合わないとかあるって事?!怖ーーーー、怖い!皆聞きたくなかったんだろうなぁ。
でもさ、コイツら大きくなるまではあんま変わらなかったし個性すらあんまり感じなかったんだけどぉ?
キョトンとしてビールを持ったまま見回すと、私の事をずっと見てる。
だからさぁ、なんで同じ顔でこっち見るの?!
六つ子かよ?!!!あ、六つ子だった。
「えーっと、私は六つ子の皆が同じくらい大好きで皆可愛い弟だって思ってるし、こんな素晴らしい兄弟達をランク付けなんて出来ないよー?!」
若干本心だ。
だって可愛いよ?弟だもん。
「・・・けっ、そう言いながら本当は一番がいるんじゃないの?俺ら6人もいるんだよ?本当の兄弟な訳じゃないんだし、さすがにお気に入りくらいいたっていいんじゃないの?ねぇ」
いや、いないいないいないいないばぁっ
違う、今冗談言ってる場合じゃないだろう私、落ち着け、落ち着くんだナス子、一松顔怖くなってるし!
「・・・・・・・・・っ」
ズルイって言われようとなんと言われようと今は口を開いてはいけない。
何か喋る前に急いで缶を置き両手で口を押える。
この中で誰が一番とか本当に考えてないんだけどね!
でも変な事言って皆と変な関係になるのが怖いから絶対に喋らない、喋らんぞ私は!
「へぇ~、そう来るの。ズルイよね・・・アンタ」
ちょっと、他の松共!!何か言ってよ、この場をどうにか収め・・・
・・・だから、っ真顔ーーーーーーーーーっ!
だからさぁ、その真顔でこっち見てるのなんなのさ、ちょっとはお姉さんを助けるとかしたらどうなのよコイツら!
少なくとも私は今日は被害者だぞ?!
少しくらい悪びれてくれてもよくなぁい??